食物繊維

むくみや便秘の解消に欠かせない食物繊維の主な働きをまとめました。正しい摂取方法、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の違いについても解説していきます。

食物繊維が足のむくみ解消に役立つ理由

むくみは便秘によって起こるケースがあり、食物繊維を摂ることで便秘が解消できるため、食物繊維をしっかり摂取することがむくみの改善に効果的だと言われています。便秘になると、排便が困難になることで便はいっそう硬くなります。硬い便=便自体の水分は不足した状態ですが、この時に体内に貯蓄する水分量はかえって増えてしまい、それがむくみとなって現れるのです。朝起きてから、顔や手、上半身がむくんでいるのは、便秘が原因という可能性も…。便秘になるとお腹にガスが溜まって下半身が圧迫されるので、足のむくみも悪化しやすいようです。体内に貯蓄されている水分を減らして便秘の改善やむくみの予防につなげるためにも、食物繊維をしっかり摂ることが大切です。

食物繊維とは

食物繊維は豆類や野菜類、果実類などの食べ物の中に多く含まれており、人の消化酵素で消化されることなく大腸まで運ばれる物質です。水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維の2種類に大きく分けることができます。不溶性食物繊維は体内の有害物質を排除して腸内環境を整えてくれ、水溶性食物繊維は栄養素の消化吸収を穏やかにして余分な脂質の吸収を抑えてくれるのが特徴です。

水に溶けない不溶性食物繊維

セルロース

主に植物細胞を構成している成分で、日常の食生活で摂れる食物繊維の中心的存在です。人の消化液では消化されることなく、腸内で有害物質を吸着して排出してくれます。

リグニン

強い酸やアルカリにも溶けないので、大腸まで消化吸収されずに到達できる成分です。ポリフェノールの1種で、生活習慣病を予防してくれます。

ヘミセルロース

植物の細胞壁を構成する成分の1つです。リグニンやセルロースとくっついた状態で存在し、体内をキレイにする効果があるとされています。

キチン

カニなどの甲殻類のカラを主原料に作られる動物性の食物繊維。体の免疫力を高めて、様々な病気を予防・改善できる力を持つと言われています。

水に溶ける水溶性食物繊維

ペクチン

りんごやかんきつ類の皮に多く含まれている食物繊維。コレステロールの低下や血糖値の安定、整腸などに効果があると言われています。

植物ガム(グアーガム)

植物の樹皮や果物に含まれる粘り気のある物質で、腸内環境を整える効果 があるとされています。

グルコマンナン

こんにゃく芋の茎の部分にある「コンニャクマンナン」が有名で、ダイエットや便秘解消といった様々な健康効果が期待できる物質です。

アルギン酸

昆布やワカメ、もずくといった海藻から抽出されるヌルヌルとした触感の物質。コレステロール値を低下させ、高血圧を抑制する効果を持つと言われています。

化学合成多糖類

「ばれいしょでんぷん」を熱処理して精製・抽出した難消化デキストリンが有名で、整腸作用や内臓脂肪を減らしてくれる効果があるとされています。

2005年に厚生労働省が策定した食事摂取基準によると、1日あたりの食物繊維の摂取目安量は、30~49歳の男性で26gに対し女性は20g。50~69歳では男性が24g、女性が19gです。1000kcalのエネルギー摂取に対しておよそ10gの食物繊維を摂るのが望ましいとされています。

食物繊維の効果や効能

食物繊維の働きによる様々な効果や効能を紹介します。

コレステロール改善

水溶性食物繊維は、人体に不要な物質の吸収を妨げて便として排泄してくれる働きがあります。また、体内の血中コレステロール値の上昇を抑えて動脈硬化を予防してくれる効果も。

血糖値改善

粘度の高い水溶性食物繊維は、胃から小腸までの食べ物の移動速度と小腸内で糖質の消化速度を遅らせてくれます。速度が低下することにより、糖の吸収が緩やかになり食後の血糖値の急激な上昇を抑制。血糖の上昇が穏やかだと血糖値を低下させるインスリンも無理なく作用でき、肥満の防止や高血圧の予防・改善につながります。

虫歯予防

食物繊維は唾液の分泌を高めてくれる効果があります。食物繊維に含まれるセルロースは唾液の消化酵素だけでは分解できないため、分解を促そうとますます唾液が出てくるのです。唾液がたくさん出ることで食べカスが分解され、虫歯菌への殺菌効果も期待できて虫歯予防につながります。

心筋梗塞予防

米国ハーバード公衆衛生大学院が9年間かけて行った研究によると、食物繊維を最も多く採っている人は最も少ない人よりも、狭心症や心筋梗塞といった心臓病で死亡する確率が25%低下すると判明。この研究により、食物繊維を摂ると心臓病の死亡リスクの低下につながることが分かっています。

ダイエット効果

食物繊維を含んだ食品を食べると唾液の分泌量が増えて咀嚼する回数が増えます。よく噛むと満腹中枢が刺激され、満腹感を得やすくなるのです。また、胃の中で水分を吸収すると食物繊維が膨らむため、食べ過ぎを防止できダイエットにつながります。

食物繊維不足で起きる主な症状

食物繊維不足が原因で起きる主な症状を紹介します。

便秘

食物繊維が不足すると、便秘になりやすいと言われています。食物繊維は腸の働きを整え、便通をよくして便秘を予防してくれる物質。便秘の予防に食物繊維を欠かすことはできません。

虫歯

食物繊維は「唾液の分泌を促進する効果」と「歯の表面の汚れを落とす効果」を持っています。唾液は歯についた歯垢を洗い流してくれるだけでなく、歯の再石灰化には欠かせません。食物繊維が不足すると、唾液の分泌が減少してしまうのです。

動脈硬化

体内の血中コレステロール値の上昇を抑制する効果を持つ食物繊維。血管内にコレステロールが増えると血管の壁を傷つけることがあります。壁の中にコレステロールが蓄積されて血管をふさぐと動脈硬化の原因に。食物繊維が不足すると、体内の血中コレステロール値が上がるので動脈硬化になりやすいと言えます。

糖尿病

水溶性食物繊維には体内の水分でドロドロになり、糖質や脂質を包み込んでくれる働きがあります。包み込んだまま大腸まで移動するので、血糖値を上げる糖質は利用されず、便として体外に排出されるのです。このため、食物繊維の不足は高血糖になりやすく、糖尿病の原因になります。

食物繊維不足の傾向にある人

食物繊維やビタミン、ミネラルといった体に欠かせない栄養素は、特に野菜に多く含まれています。そのため、食物繊維不足の人は野菜を摂らない人に多く見られるのです。食物繊維不足の傾向にある人は、以下の症状になりやすいとされているので当てはまる人は注意してください。

便秘

食物繊維が不足すると、腸の働きが低下して便秘を引き起こしてしまいます。食物繊維は小腸や大腸の動きを活発にしてくれるため、野菜はしっかり摂るようにしましょう。

片頭痛

食物繊維は、体の免疫力を高めてくれます。免疫力が高い人は血行が促進されて血管の拡張が予防されるのですが、食物繊維の不足により、血管の拡張が起こり片頭痛の原因に。片頭痛の解消には、食物繊維だけでなくビタミンを多く摂るとよいでしょう。

食物繊維が不足する原因に現代の食生活の変化が挙げられます。これまで日本人は野菜や穀類、魚を中心とした食生活を送ってきました。しかし、近ごろは肉や加工品中心の食事を摂るようになり、多くの日本人が野菜(食物繊維)不足になっていると言われています。便秘や片頭痛に悩んでいる人は野菜を多く採ってみてはいかがでしょうか。

食物繊維が多く含まれている食べ物

食物繊維が多く含まれている食べ物は、野菜・豆類・きのこ・海藻などです。食品100gあたりの食物繊維含有量を調べてみました。

野菜

しそ 7.3g
パセリ 6.8g
ごぼう 6.1g

豆類

インゲン豆(ゆで) 13.3g
ひよこ豆(ゆで) 11.6g
えんどう豆(ゆで) 7.7g

きのこ

きくらげ(乾) 57.4g
干しシイタケ 41.0g
エリンギ 4.3g

海藻

ひじき(乾) 43.3g
青のり(乾) 38.5g
焼きのり 36.0g

食物繊維を摂るうえで気を付けたいのが、水溶性と不溶性の2種類の食物繊維をバランス良く摂ること。水溶性食物繊維1:不溶性食物繊維2の割合が理想です。食べ物ではアボカド・大麦・納豆などが両方をバランス良く含んでいるので、これらを積極的に摂るのも良いですね。

食物繊維はサプリメントで効率良く摂ろう

慢性的な便秘やむくみの改善には、日頃から継続してサプリメントを飲むのもおすすめです。

最近はカリウムなどのむくみ成分に加えて、食物繊維を配合したサプリメントも多いので、そういったサプリを活用してじっくり体質改善に取り組んでみて下さい。